ごあいさつ

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2018-09-19 10:20:00

「春の七草」といえば1月7日に七草粥を食して1年の無病息災などを祈り、また正月料理で疲れた胃を休めるものとして、その風習が今でも続いています。しかし、秋にも七草があることは意外と知られていません。また、秋の七草の存在を知っていても、七草の名前を全て言える方はさらに少ないでしょう。今回は秋の七草についてご紹介します。

秋の七草は万葉集に収められている山上憶良の2首の歌が始まりです。
「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」

1つ目の歌で「秋の野に咲いている草花を指折り数えると7種類ある」とし、2つ目の歌で「それは萩の花、尾花、葛(くず)の花、撫子(なでしこ)の花、女郎花(おみなえし)、また藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお)の花である」と述べています。「朝貌」については諸説ありますが、現在では桔梗(ききょう)が定説です。

春の七草が七草粥にして無病息災を祈るものに対し、秋の七草はその美しさを鑑賞して楽しむものです。そのため、7種一緒に何かの祭祀などに使用されることはありません。秋の七草の特徴は見て楽しめるだけではなく、薬用など実用的な草花として昔の日本人に親しまれたものが選ばれていることです。

 

【1】萩(はぎ)

「草かんむり」に「秋」と書く、まさに秋を代表する花の1つです。秋のお彼岸にお供えする「おはぎ」の名の由来にもなっています。

 

【2】尾花(おばな)

尾花とは「すすき」の別名です。すすきの穂が動物の尾に似ていることが、名前の由来と言われています。お月見にはかかせない飾りの1つです。

 

【3】葛(くず)

葛湯、葛切り、葛餅など今でも親しみ深い植物の1つです。葛の根を乾燥させた「葛根(かっこん)」は民間治療薬として、風邪や胃腸不良などの際に用いられます。

 

【4】撫子(なでしこ)

日本女性の清楚さを表現した「大和撫子」の「撫子」は、この花のことです。可憐な淡紅色の花を咲かせます。「枕草子」の中で、清少納言は撫子の美しさは草花の中で第1級品であるとしています。

 

【5】女郎花(おみなえし)

女郎花の名前の由来は、花の美しさが美女を圧倒するためという説があるほど、優雅で美しい花として古代の人に親しまれた花です。そのため、多くの歌や句にも詠まれています。また、女郎花の根と全草には解毒・鎮痛・利尿などの作用があります。

 

【6】藤袴(ふじばかま)

藤袴は、花の色が淡紫色で、弁の形が筒状で袴に似ていることからこの名前が付けられました。乾燥させると桜餅の桜葉と同じ良い香りがするため、洗髪や香水にも用いられます。現在では絶命危惧種に指定されており、野生の藤袴を見ることはほとんどできません。

 

【7】桔梗(ききょう)

桔梗は、その形の良さから多くの武将の家紋に用いられました。中でも明智光秀の水色桔梗の家紋は有名です。桔梗の根を乾燥させ粉末にしたものは、痰や咳の薬として用いられています。藤袴と同様、絶滅危惧種に指定されている花です。

 


2018-08-29 17:15:00

 冷房のない時代の夏バテは、暑さからくる食欲不振、栄養の偏り、睡眠不足などが原因でおきる夏の体の不調全般のことでした。それが現代では暑さの影響のほか、冷房の効いた室内と暑い戸外との温度差による自律神経の乱れも加わり、夏バテがより複雑になっています。
現代の夏バテの症状は、「食欲不振」「不眠」に加えて「冷え」「コリ」が特徴。これらの症状は複雑にからみあっているため、「暑いから」と体をいたわるためにとっている行動が、実は夏バテを加速させていることも少なくありません。
例えば、体の熱をさますために飲む冷たい飲み物などは、冷房で冷えた体をさらに冷やし、”冷えバテ”の原因に。また、動くと疲れるからと運動を控えたり、階段を使わない生活を続けると、血行不良を引き起こしてコリと冷えを加速、日中の活動量が不足するため寝つきの悪さにもつながります。

 気温や湿度は下げることができませんが、夏バテはちょっとした生活習慣の見直しで改善することが可能。冷え、コリ、不眠による不調を解消する習慣を、いくつかご紹介します。

その1)「首」という名がつく首、手首、足首の3カ所は、太い血管が集中している箇所。そのため、ここを冷やすと全身を冷たい血液が巡ることになり、冷えを加速してしまいます。ストールやはおりもの、靴下などで保護するほか、冷房の効いた室内に長くいる時は、首、手首、足首を時々回して血流をよくしましょう。

その2)暑いからとシャワーだけで済ませると、冷えとコリは蓄積する一方。寝る1時間ぐらい前に、38℃程度のお湯に、額にうっすら汗をかく程度につかると安眠効果も。また、首筋から肩にかけてシャワーをあてると、シャワーの水圧でコリ解消になります。首を傾けたりゆっくり回しながら行うと効果的です。

その3)睡眠に入る時は、脳の温度を下げる必要があります。一方、体を冷やしすぎると熟睡できないので、寝るときは「頭を冷やし、体は冷やしすぎない」工夫を。就寝時は扇風機か、冷房なら2~3時間程度のタイマー設定に。考え事をしたり、カフェインを摂ると脳の温度が上がるので、考え事は明日に回し、夕方以降のカフェインは控えましょう。市販のアイス枕か、小さい保冷剤をタオルでくるんだものを枕の中央にのせ、後頭部を冷やすのも効果的です。ただし首は冷やさないよう注意して。

その4)暑い日が続くと、食欲がないから、面倒だからと、のどごしの良いめん類や菓子パンなどで食事を済ませがちになります。また、つい飲んでしまう冷たい飲み物は糖分が入っていることが多いため、夏は知らず知らずのうちに炭水化物を摂り過ぎてしまいます。炭水化物の代謝に使われるビタミンB1は、不足すると疲れやすくなるため、炭水化物の多い食生活は夏バテを加速。あまり偏食なのも考えものですが、炭水化物をなるべく摂らない食事などを、夏バテ防止のために心がけてみてください。


2018-08-07 18:55:00

2018年8/20(月)〜8/25(土)まで休診いたします。

尚、8/27(月)からは通常通り診療いたします。


2018-08-01 10:00:00

8/5(日)は、休日当番医のため、午前9時から午後5時まで診察致します。


2018-06-27 15:40:00

 数日前から関東地方では30℃を超える真夏日が続いています。まだ身体が暑さに慣れていない状態では、より熱中症に注意が必要です。

 熱中症の代表的な初期症状として、めまい(目眩、眩暈)や立ちくらみ、一時的な失神があります。熱失神とも呼ばれ、炎天下や暑い室内での長時間労働やスポーツなどにより体内に熱がこもり、脳への血流が減ることと、脳そのものの温度が上昇することで引き起こされます。暑さで体温が上昇すると、体にこもった熱を外に逃がして体温を下げようと、皮ふの血管が広がります。すると全身を流れる血液の量が減り、血圧が下がり、脳への血流が減少します。こうした血流や血圧の変化が生じることで、顔面から血の気が失せ、めまいや立ちくらみ、一時的な失神といった熱失神の症状へとつながります。

呼吸の回数も増え、脈は速く弱くなり、唇のしびれなども見受けられます。めまいや失神だけが起こることは少なく、全身の倦怠感(だるさ)や吐き気・嘔吐、頭痛などを伴うこともあります。熱失神では、脳への血流が損なわれるために、一時的に気を失い、突然バタンと倒れるようなケースがよく見られます。

 熱中症の初期症状であるめまいや立ちくらみなどの基本的な対処法として、まずは、意識がはっきりしているかを確認しましょう。意識が朦朧としているようであれば、迷わず医療機関へ。意識がはっきりしている場合は、次のような対処法を行いましょう。

1)安全で涼しいところへ移動させましょう

 このとき、自分の足で歩ける状態でもめまいや立ちくらみ、一時的な失神によるふらつき・転倒に注意し、頭を打つなどの2次被害を防ぐために両側から二人で支えることが大切です。

2)横になって休ませましょう

 足を10cm程度高くすることで、心臓への血流がよくなって血圧が上がり、脳への血流を改善させる効果が期待できます。

3)保冷剤やペットボトルを利用して身体を冷やしましょう

 体表近くを走る太い血管の通る首筋やわきの下などを冷やすのが効果的です。

4)水分補給を行いましょう

 スポーツドリンクや0.1~0.2%の濃度の食塩水(1ℓの水に対して 1~2gの食塩を加えたもの)などを自分で飲んでもらい、体内から失われた水分・塩分を補います。自分でうまく飲めない場合や、 嘔吐や吐き気などがあって水分補給に適さない場合は、やはり医療機関を受診しましょう。

 

<まとめ> 

 熱中症の初期症状であるめまいや立ちくらみ、一時的な失神などの熱失神を生じたときには、クーラーの効いた屋内や涼しい日陰で休ませ、衣服を緩めて風通しをよくし、体を冷やして、適切に水分を補給すれば、多くの場合は改善します。しばらく様子を見て、症状が改善しないような場合には、医療機関を受診するのがよいでしょう。

 夏場の屋外や熱のこもる室内での活動の際には、こまめに休息と水分補給を行って、熱失神をはじめとする熱中症の予防をこころがけましょう。