ごあいさつ

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2018-08-29 17:15:00

 冷房のない時代の夏バテは、暑さからくる食欲不振、栄養の偏り、睡眠不足などが原因でおきる夏の体の不調全般のことでした。それが現代では暑さの影響のほか、冷房の効いた室内と暑い戸外との温度差による自律神経の乱れも加わり、夏バテがより複雑になっています。
現代の夏バテの症状は、「食欲不振」「不眠」に加えて「冷え」「コリ」が特徴。これらの症状は複雑にからみあっているため、「暑いから」と体をいたわるためにとっている行動が、実は夏バテを加速させていることも少なくありません。
例えば、体の熱をさますために飲む冷たい飲み物などは、冷房で冷えた体をさらに冷やし、”冷えバテ”の原因に。また、動くと疲れるからと運動を控えたり、階段を使わない生活を続けると、血行不良を引き起こしてコリと冷えを加速、日中の活動量が不足するため寝つきの悪さにもつながります。

 気温や湿度は下げることができませんが、夏バテはちょっとした生活習慣の見直しで改善することが可能。冷え、コリ、不眠による不調を解消する習慣を、いくつかご紹介します。

その1)「首」という名がつく首、手首、足首の3カ所は、太い血管が集中している箇所。そのため、ここを冷やすと全身を冷たい血液が巡ることになり、冷えを加速してしまいます。ストールやはおりもの、靴下などで保護するほか、冷房の効いた室内に長くいる時は、首、手首、足首を時々回して血流をよくしましょう。

その2)暑いからとシャワーだけで済ませると、冷えとコリは蓄積する一方。寝る1時間ぐらい前に、38℃程度のお湯に、額にうっすら汗をかく程度につかると安眠効果も。また、首筋から肩にかけてシャワーをあてると、シャワーの水圧でコリ解消になります。首を傾けたりゆっくり回しながら行うと効果的です。

その3)睡眠に入る時は、脳の温度を下げる必要があります。一方、体を冷やしすぎると熟睡できないので、寝るときは「頭を冷やし、体は冷やしすぎない」工夫を。就寝時は扇風機か、冷房なら2~3時間程度のタイマー設定に。考え事をしたり、カフェインを摂ると脳の温度が上がるので、考え事は明日に回し、夕方以降のカフェインは控えましょう。市販のアイス枕か、小さい保冷剤をタオルでくるんだものを枕の中央にのせ、後頭部を冷やすのも効果的です。ただし首は冷やさないよう注意して。

その4)暑い日が続くと、食欲がないから、面倒だからと、のどごしの良いめん類や菓子パンなどで食事を済ませがちになります。また、つい飲んでしまう冷たい飲み物は糖分が入っていることが多いため、夏は知らず知らずのうちに炭水化物を摂り過ぎてしまいます。炭水化物の代謝に使われるビタミンB1は、不足すると疲れやすくなるため、炭水化物の多い食生活は夏バテを加速。あまり偏食なのも考えものですが、炭水化物をなるべく摂らない食事などを、夏バテ防止のために心がけてみてください。